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  LR(ルンベルクスルベルス)末 食品

東洋医学舎刊2008年改訂新版 『健康・栄養食品事典』 より抜粋

     (画像 東洋医学舎 新ミミズ健康読本 より)
 

LR末とは                  

 LR末の「LR」は欧米に生息している赤ミミズ(学名=ルンブルクス
ルベルス Lumbricus Rubrllus)の頭文宇をとったもので、赤ミミズの
皮を除いた部分を乾燥させ粉末状にした健康食品が「LR末」である。
 ミミズは中国では古くから「地龍」と呼ばれ、皮の部分を乾燥・
粉末にしたものが主に漢方の解熱剤として利用されてきた 
 日本では大正時代に同じくミミズの皮の部分から解熱作用を持つ皮分
「ルンブロフェブリン」が抽出されているが、1970年代になって
宮崎医科犬学(現・宮崎大学医学部)第二生理学教室により、ミミズの皮を
除いた部分から血液中にできる血栓の溶解を肋ける酵素が発見され、これが
「LR末」誕生の母体となった。「血液サラサラ」が健康の第一歩と位置づけられ
ている現在、最も注目を集めている総合健康食品でもある。
 市場に流通する製品の中心は、国内養殖~国内加工
(原料の乾 燥・粉末化)~製品化のシステムを整備すること
によって、いわゆる「安心・安全」の供給体制を構築しているもので、
後述する石井陽一氏(宮崎県)が養殖・加工技術を確立し、
現在も圧倒的なシェアを有している。


「健康で長生き」の大敵は血栓症

 平成18年度の日本人の死因別死亡数によると、1位は「悪性新生物」(ガン)で
全体の30.4%を占め、次いで2位は「心疾患」(15.9%)、3位「脳血管疾患」
(11.8%)となっている(厚生労働省「人□動態統計」年計概数)。昭和56年以降、
ガンがトップであることに変わりはないが、2~3位は血栓と非常に関係の深い疾患と
いえる。2位の「心疾患」にはいくつかの症例が考えられるが、その9割は心臓の血管
が詰まって起こる心筋梗塞と見られる。また3位の「脳血管疾患」(脳卒中)には、
脳の血管が破れて起きる脳出血と、血管が詰まって起きる脳梗塞があるが、その
7割がたは詰まるほうの脳梗塞と言われている。
 つまり、血管の詰まり=血栓症というくくりで考えるなら、ガンに次ぐ27%余がこの
疾患で死亡
していることになり、血栓症が現代の日本人の健康にとって大敵となって
いる実態が浮かび上がってくる。
 血栓症を予防することができれば、健康で長生きできる確率は格段に高くなるはず
で、LR末が加齢対策に直結する健康食品として市場を広げている理由もここに
ある。


血栓ができるメカニズム

 ヒトが摂取した食品の栄養素は、消化管内で消化され、
炭水化物はブドウ糖に、脂肪は脂肋酸に、たんぱく質は
アミノ酸にまで分解されて腸から吸収され、血液中に入る。
そして、肺から入った酸素とともに血管によって体内
60兆個の細胞に運ばれる。
 この過程で、ブドウ糖と脂肪酸はさらに炭酸ガスと水
にまで分解され、体の活動源であるエネルギーを作り出す。
また、アミノ酸はたんぱく質に再生されて筋肉組織や
血液、ホルモンなどの材料となる。
 したがって、ヒトが健康を保つためには、体内の大流通網
である血液の流れをよくし、腸からの栄養吸収を正常に
促進することが是非必要である。血液が滞りなく流れている
状態なら問題はないが、何らかの原因で血液の粘度が高く
なると血流が滞り、さまざまな問題を引き起こす。
 血液の粘度を高める主因の一つが血栓であると
考えられている。血栓とは血液中にできる血の固まりで、
何らかの理由で血管が破れたり傷つけられたりして
出血が起きると、それを修復しようとするメカニズムが
働くことにより生じる
 この過程をもう少し詳しく見ていくと、傷にフタを
1.傷に血小板が集まってきて固まりを作り、
  する形で出血を止める
2.さらに、傷のところの血液そのものが凝固して傷を
  修復する
3.修復がすむと、役割を終えた血の固まり(血栓)が
  溶けて、もとどおりの状態になる。
 ――という、一連の作用が起きていることになる。
 すなわち血管が傷つくと、まず「凝固系」の反応が起きて傷を修復し、次に「線維素溶解系(線溶系)」の 機構が働いて、凝固の過程で生成された血栓を溶かし、はじめて傷の修復が完丁するわけである。
 血栓の正体は、上記の「凝固系」の反応の中で血液中の「フィブリノゲン」が変化してできた 「フィブリン」という物質で、変化のスイッチを入れるのは「トロンピン」である。またこれを溶かす役割をするのは、 「線溶系」の反応の中で血液中の「プラスミノーゲン」が変化してできた「プラスミン」で、 変化のスイッチを入れるのは「プラスミノーゲンアクチベータ」(PA)と呼ばれる。プラスミンがフィブリンを 溶かすことにより、血液中にはその残骸ともいうべき「フイブリン・デグラデーション・プロダクツ」(FDP)が 生成される。つまり、FDPが血液中から検出されれば血栓があった証拠となるわけで、ミミズ酵素が血栓溶解に 効果があることも、このFDPが手がかりとなって証明された経緯がある。


ミミズの線溶作用

 ミミズ(皮を除いた部分)に血栓溶解作用を持つ酵素があることを発見したのは
前記の宮崎医科大学第二生理学教室である。研究室における実験では、ミミズ酵素
は人工的に作られた血栓(フィブリン)を確実に溶かしていることがわかった。
 前記、 繊維素溶解のメカニズムの中で、血液中に作られたプラスミンという物質がフィブリンを溶かすことに
触れたが、ミミズ酵素はこのプラスミンと同じ働きを
するわけで、血管の損傷がひどくて白身のプラスミンが
不足するような場合にとくに有効である。
 同研究室では、若手を中心としたスタッフ7人が
実験台となって乾燥粉末を飲むという実験をしている。
この結果、健康に何の懸念もなかったすべてのスタッフ
の血液中からFDPが検出された。
 FDPは前述のように、血栓が溶解したあとに生成
される物質で、これにより、健康人であっても体内では
血栓が絶えず形成されていること、ミミズ酵素がその
血栓溶解を助けていることがわかったことも、大きな
収穫だったといえる。
 学術の場でのミミズ研究は、その後、上記実験に
加わったスタッフの一人・須見洋行先生(現・倉敷芸術科学大学産業科学技術学部教授)に引き継がれ、現在も新たな可能性の開発等に向けた研究が続けられている。


LR末の優位性

 血栓ができた時、血中のプラスミノーゲンを、線溶作用のあるプラスミンに変えるのは プラスミノーゲンアクチベータ(PA)であることは前述したが、このPAには現在次の2種類が知られている。 「t-PA」(組織性プラスミノーゲンアクチペータ)と「u-PA」
(ウロキナーゼ型アクチベータ)である。  これらはもともとヒトの体に備わっているものであるが、急性の血栓症が起きた場合、それでは間に合わないため、 外部から入れてやる必要がある。そのため、医薬品としての開発が進んでおり、実際に治療にも使われているが、 医薬品としてのPAは効き目が強い反面で、欠点である。
 t-PAは治療に際して血管に直接カテーテルで注入しなければならず、高度な技術が必要とされる。 u-PAは注射できるが、新鮮な尿からごく微量しか抽出されない。
1グラムのu-PAを得るのにドラム缶千本分の尿が必要で、 それだけに非常に高価である点も、患者にとっては大きなデメリットである。また、出血などの副作用を指摘する声もある。
 これに対して、多くのメリットを有するのがLR末である。カテーテルや注射器は必要なく、経口摂取できる。 価格も医薬品PAよりはるかに安価な上、天然成分なので副作用の心配も無用である。緊急治療の場面などではともかく、 サプリメントとして利用する際の利点は大きい。
 さらにミミズ酵素が注目されるのは、溶解する対象が死んだたんぱく質に限られるという点である。 生きている細胞には作用しないので、健康な血管を傷めることがない。死んだ細胞を溶かす過程で、 血液中の老廃物等が除かれることも期待できる。  若く健康な者でさえ、目に見えない血栓は絶えず生成されているという事実を考えれば、日常的に摂取する 健康食品としての価値が減じられることはないだろう。

                               

臨床の場でのLR末の活用

 LR末のさまざまな優位性を背景に、臨床の場でもすでに活用が始まっている。
都内のあるクリニックでは、下肢動脈の狭窄による血流障害が摂取後数日で改善された例や、 血小板凝集抑制剤の服用で起きた肝障害が改善した例、脳梗塞の後遺症の半身麻痺、言語障害から 顕著に回復した例などをあげている
 これらは血流障害が改善した例といえるが、このクリニックの医師は、LR末にはまだわかっていない 未知の成分が含まれているのではないかとして、総合健康食品としての可能性は大きいと見ている。
 また、最先端治療として知られる「キレーション」治療に際して、LR末を併用することにより、 患者の健康維持に役立てる方向を探っている医師もいる。
 キレーションとは、体内の有害全属排出療法として始まった治療法で、合成アミノ酸の一種である EDTA(エチレンジアミン四酢酸)という静脈点滴剤(キレート剤)を使い、体内にたまっている老廃物や 有害金属類を洗い流し、体を内側から浄化する療法として、抗加齢や動脈硬化対策に効果が期待されているもの。 LR末とのコラボレーションにより、望ましい成果を得たいというのが、このクリニックの意図である。
 両例に共通しているのは、土を耕し土に返るという意味で循環型生態系の象徴ともいえるミミズを活用することにより、 西洋―東洋の別に制約されないトータル な医療を目指す姿勢であり、この点からもミミズの新たな可能性を垣間見ることができる。